株式会社MK翻訳事務所公式ブログ
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2017/10/08

事業の進め方、ポシャり方

我々は、2019年に機械翻訳の本格導入を決めた。その準備作業として社内に「MT/PE部門(仮称)」の設立を決めた。ここまで到達するには試行錯誤した。

我々は、元々特許翻訳だけを行ってきた。サービスが1つしかないのでバックアップ策としてそれ以外のサービスの開発を考えだした。その時思い付いたのが、リーガル翻訳、多言語翻訳(フランス語、ドイツ語、中国語、韓国語)である。

まず機械翻訳に関しては、2013年に遡る。MTに関して、ほぼ知識がなかったので東京で開催される予定だったフォーラムに参加してみた。

2013年4月11日(木)~12日(金)
「TAUS Tokyo Executive Forum 2013」(主催:TAUS様)

このフォーラムで印象に残ったのは、「現在、英語がリンガフランカだが、将来は、MTがそれに代わる」と冒頭でおっしゃったことだ。このフォーラムを通して、MTの実践利用に関して学んだ。しかしこの当時、MTは、ルール型及び統計型であったので、一般利用できるMTの精度は極めて低く、とてもではないが、我々のサービスとしては使えないものだった。

その後(ほぼ2年も空いてしまうのだが)、今度は、大阪でセミナーが開催されることになったので、参加してみた(2年間なにもしなかったわけではないです)。

2015年1月30日(金)
機械翻訳と向き合うときが来た ― MTをもっと身近に、現実的に考える ―」(主催:日本翻訳連盟様)

ここで印象に残ったのは、「日本の翻訳業界は、欧米の業界と比べて10年遅れている(20年とおっしゃったかもしれないが忘れた)」とどなたかがセミナーでおっしゃったことだ。だがこの時点でもMTはサービスとしては到底使い物にならないものだったので実践利用はしなかった。このセミナーのタイトルに「現実的に考える」という文言があるが、現実的に考えたらMTから撤退していたと思う。

それでも諦めずに準備だけはしていた。我々が実践利用できそうだと感じたのは、2016年にGoogle さんがニューラルMTを発表したときだ。つまり最初にMTのフォーラムに参加して可能性を感じてから3年経過している。この3年間、MTが実践利用できるとは夢にも思わなかったので、MTは社内的にはボツ案になる寸前であった。この3年間、MTが事業に活用できるめどが立っていなかったので担当者は実質的に僕一人が個人的に動いていたに過ぎない。

ちなみにニューラルMTというコンセプト自体は新しいものではないらしい。コンセプトとしては存在していたが膨大な量のコーパスを収集できる能力がなかったため、実現できなかった。Google さんは膨大な量のコーパスを収集することに成功した。

結局、実践利用できるめどがたったため、2017年10月に「MT/PE部門(仮称)」の設立を決めた。僕を含めて、4名体制からスタート。2019年には、本格的にMTとPEとを主力サービスにするつもりだ(ブログもスタート)。

ですのでMT/PE部門(仮称)」を設立すことになったのは単なる思いつきではない。過去3年間に渡って考えてきたことを形にしただけだ。社内のプレスリリースやプレゼンテーション資料等の翻訳は、MT/PEがすでに大活躍している。今後は、ポストエディタの育成に力を注ぎたい(時々、教えてくれと同業者から言われるが、営業秘密だと思うのでノウハウは教えられない)。

その間、新しいスタッフを採用したが、面接では「今までやったことがないことに挑戦します。それでもいいですか?」と尋ねて、「それで結構です!」と快諾してくれた人だけを採用した。

それと同時に、バックアップ策として検討していたリーガル翻訳は、小規模だが継続してサービスしている(以前は、日英/英日をお引き受けしていましたが、現在、日英だけ)。多言語に関しては、ドイツ語を採用した。独日、日独の担当者を採用(両方ともネイティブ)して、ドイツ語部門も設立した。フランス語、中国語、韓国語に関しては部門設立には至っていない。

事業ってこんなものだろうと思っている。各社様々なサービスを打ち出すが、失敗に終わったサービスもあれば、ボツになったサービスもあるだろう。

ユニクロの柳井正氏が著書「1勝9敗」で述べているように、大企業にもなれば、10つ案があればそのうち成功するのはわずか1つ程度だ。中小企業は、規模が小さいので同じ規模では語れないが(費やす費用が小さいのでそもそも成功しても小さな成功であり、その小さな成功も本来は成功とは言えないが成功とカウントする傾向にある)、まさか10案があっても成功するのは3つ以下だろう、と思う。

MT/PE部門(仮称)」の設立に関しては、日本市場及び海外市場の両方にプレスリリースを出した。「プレスリリース見たよ。Masa やったね!」と激励メールもいただいているので、頑張ろうと思います。

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